植物の恵みのおくすり


雨がたくさん降る季節ですね。薬局近くにペパーミントの群生があるのですが、今、花が満開です。雨の日に、この群生の横を通り過ぎると甘いけれども凛とした良い香りがします。
ペパーミントの精油はまさしくミントのガムと同じ香りがするのですが、消化、強壮、そして外用では消毒といった薬効を持っています。インドに行ったとき、食後に必ずペパーミントの干したものをすすめられたのですが、そういうことだったのですね。日本では焼肉屋さんなどで帰りにガムを渡してくれますが、匂い消し以外に消化剤の役割が大きいのかもしれません。
植物の強い匂いは基本的に精油によるものが多いです。もともとは植物が自身を守るために虫の嫌う匂いを出したり、また逆に受粉等で助けてもらいたいために動物を誘う匂いを出したりするものです。その精油を精製して、いろんな組み合わせでヒトは香水を作ったり、アロマセラピーを行ったりします。
実は薬の中にも使用されるものがたくさんあります。たとえばここでお話ししたペパーミント。その精油に含まれるメントールは、肌にある、冷感受容体(冷たいと感じるスイッチのようなもの)を活性化して、実際は冷たくなくても、冷たくなったと感じさせます。さらに、痛みに関する受容体にも結合し、鎮痛作用も持ち合わせます。なので、冷たく感じる湿布には含まれている事が多くあります。
また逆に、トウガラシのカプサイシンに関しては、温かく感じる温感受容体を活性化するため、温かい湿布に含まれることがあります。
さらに、カモミール(カミツレ)の精油に含まれるアズレンという物質は、アレルギー反応や炎症反応に効果があるためうがい薬や目薬などに有効成分として使われています。なかよし薬局でも「アズノール軟膏・うがい薬」や「AZ点眼」などアズレンを主成分とした医薬品が多く処方されて出ています。
 近頃はこういった精油成分も人工的に合成されるようにはなってきてしまっていますが、もともとはヒトと自然のかかわりで完成した薬が現在もあるというのはなんだかうれしいなあと感じる今日この頃です。
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