抗生物質、出してーよ

 秋はいろんなイベントが目白押しです。写真は11月20日に開催された、私の住まいの地域のお祭りで、「薬剤師体験」というブースを出させてもらった時のものです。マーブルチョコとラムネを利用した「調剤体験」と、混ぜるだけで簡単にできる「スライムづくり」を行いました。子どもたちがどんどんやってきて、100人分以上作っていたのに、あっという間に完売でした。子どもたちが少しでも薬学や科学に興味を持ってくれるとうれしいなと思います。
中山 智津子さんの写真

さて、急に寒波がやってきて、風邪を引いてしまった患者様が多くいらっしゃいます。そこで出されるお薬は患者様によって多種多様。漢方薬が出たり、抗生物質が出たり、アレルギーの薬が出たり、トローチが出たり。
抗生物質が出てない患者様からたまに「抗生物質出してーよ」といわれることがあります。抗生物質って、どんな薬かご存知ですか?主に細菌を殺すお薬です。風邪はどうして起こりますか?ウイルスによって引き起こされます。
風邪のウイルスを殺すお薬はまだ開発されていません。そして抗生物質はウイルスには効きません。ではなぜ抗生物質が出される患者様がいらっしゃるのでしょう。それは、風邪によって体力が低下しているところに細菌が感染し(二次感染といいます)、炎症を起こしていることがあるからです。細菌に感染する恐れがあるときも出されることがありますが、基本的には細菌感染が無ければ出されません。
抗生物質をもし出されたら、最後まできっちり飲むことをお勧めします。細菌は中途半端に残ってしまうと、その抗生物質が効かなくなる、「耐性」を獲得してしまって、次に同じお薬を飲んでも効果が得られません。その菌がほかの人の体に入ってしまうと、その人にも同じ薬は効きません。そうやって、薬物耐性菌が現在地上に蔓延してしまっています。体が弱った方がそれに感染してしまうと致命傷ですので、抗生物質の使い方は、世界的に見直しが行われている最中です。
なので、何かあったらすぐ「抗生物質」という考えは、あまりよくないのでは、と感じております。それよりも、まず、風邪予防、頑張りましょうね。