夏の便秘と中性脂肪の増加

なかよしやっきょくさんの写真

写真はなかよし薬局の隣の病院にある、立派なノウゼンカズラです。毎年オレンジの大きな花を咲かせてくれています。熱帯を思わせる、夏らしい鮮やかな花は、暑い時に眺めると大変似つかわしく、暑さで疲れた私を癒してくれます。花がそのままぽろぽろ落ちている姿もとてもきれいです。

さて、暑くなってくると増えてくるのが、不思議と便秘の薬です。温かいからお腹の動きもいいはずなのですが、体から水分が抜け落ちて、便からも水分が奪われると便が固くなって便秘になることがあります。それで、便秘薬が追加される方が多いのではないかと思うのですが、ここで気を付けたいのは「酸化マグネシウム」というお薬です。比較的、優しい便秘のお薬で、便の中に水を引き込むため、便が柔らかくなって、力まなくても便が出やすくなるお薬です。しかし、体の水分が減っているときに、酸化マグネシウムが追加されてしまいますと、心配になるのが副作用です。血液中のマグネシウムの濃度が高くなってしまうと、高マグネシウム血症というものを引き起こします。それは、吐き気、めまい、立ちくらみを起こしたり、脈が遅くなったり、眠くなったり、体がだるくなったりという症状を伴い、あまり放っておくと意識がもうろうとしてしまうことがあります。特に高齢の方は心配です。

便が固くなったら、まずは水分不足を疑っていただいて、酸化マグネシウムが出されたら、しっかり水分を摂って服薬するようにしてくださいね。

また、6月から検査が始まり、中性脂肪が増加する人が増えてきました。夏は気温が高くて、体が体温を上げるために燃焼しなくても済むので、基礎代謝が10%ほど落ちます。それに加え、食べやすい麺やパン類など、すぐに脂肪に変わる食べ物が欲しくなります。その結果中性脂肪が増えてしまいます。さらに水分不足で血液がドロドロになってしまいますので、食べ過ぎないよう、水分を摂るように気を付けてください。中性脂肪だけでなく、体重ももちろん増えやすくなります。「夏太り」は「冬太り」より起こりやすいですよ。

アイスクリームの摂りすぎ、甘い飲み物の摂りすぎ、小麦粉製品の摂りすぎ、水分や野菜やたんぱく質の不足には、十分気を付けましょう。