残薬問題: お薬、お家にのこってませんか?

桜もすっかり散り、新緑の葉が増えてきましたね。
薬局の花壇で静かに葉と枝を伸ばし、育っていたブルーベリーの木が、つぼみを開きました。
スズランのような、上品な花。可愛いですね。
夏ごろに漆黒の実をたくさんつけてくれますように。

さて、今日は「残薬問題」。何のことだろうと思われるでしょうね。残る、薬の問題。
飲み忘れや意図的に飲まなかったことで、患者さんのご自宅にたくさん余ってしまう薬の話です。

医療費は国家予算の中で占める割合が非常に多く、○兆円単位で毎年膨れ上がっていると言われています。
これから支えなければいけない高齢化社会、このままでは今の医療制度が継続できなくなるかもしれません。

なので国は「薬価改定」を2年に一回行い、薬の料金を下げています。でもそれだけではなかなか収まりません。
そこで目をつけたのが、患者さんのご自宅で眠る薬。
飲まなかった薬を捨ててしまったりとか・・・
結構おうちで眠らせていらっしゃる方が多いのです。
お薬って結構高いんですよ。
窓口で支払う金額が、3000円だった時。
3割負担の方だと実質10000円、1割負担の方だと実質30000円になります。1錠が1000円くらいするお薬だってあるんです。
正確な金額は分かりませんが、患者さんのご自宅に眠る薬代は、国家予算を揺るがす量に違いないと言われています。
実際、お薬を患者様のお宅へ届けた時、引き出しに、い~っぱい、お薬を残しておられる方も結構いらっしゃり、驚くことがよくあります。
訪問経験のある他の薬剤師も同じ経験を持っています。
言えないんですよね、なかなか、先生に「これ家で余っています。」って。
だって先生の言うこと聞いてないって、怒られちゃうかもしれないんですもの。
先生は、怒りませんよ。大丈夫です。

われわれ薬局薬剤師の義務として、「残薬確認」というものがあります。4月から必ず患者様に確認することとなっています。
意外と、こっそり、教えてくれます。
「これ、全然飲んでないから、家にいっぱいある。」
「お昼は飲み忘れるのよ。」
「なぜか余っている。ちゃんと飲んでるはずなのに。」
などなど、いろんなお話を教えてくれるのです。
薬局から医院に連絡しますが、余っている分、薬を減らして出すことが出来ます。
実際、4月からの取り組みで、かなりのお薬を減らすことが出来ました。

患者様ご自身が出来る、将来の医療を支える、医療費削減の手助け。勇気をもって、「これは要らない。」「これは余っている。」とおっしゃってくださいね。
みなさんのお子様、お孫さまのために、国民皆保険制度を壊さないように。
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