初夏、農村の、悩める薬局

梅雨といえば、アジサイ。
雨に濡れるといっそうきれいですね。
写真は今日の雨に打たれた、薬局の近くの病院に咲いているアジサイです。
アジサイの花は、雨に当たっても、決して下を向きません。
柔らかい花は、水を花びらの上からかけると、花びらが折れてしまったり、下を向いてしまうものですが、アジサイは、さすが、結構な勢いで雨に打たれても、へっちゃらです。強いです。
雨に打たれてなお、美しさを増すアジサイには尊敬の念さえわいてきます。さて、前回は事故でお越しの方が多いとお話しいたしました。それで湿布や痛み止めが処方される、という話でした。

薬局は、農業を営む方の多い村の中に建っておりますので、この時期、事故ではなく農業も原因で、全体的に湿布や痛み止めの処方量が増えております。
代掻き、田植え、草取り、苗付け、桃とマスカットの産地ですので、桃の袋かけ、ブドウの間引きetc…
かなり皆さんお疲れのご様子。

高齢化の進む地域です。薬局にはかなり年配の方で、農業をしておられる方が多いです。
この時期、苗を植えてしまうと、田植えをしてしまうと、これから先ずーっとお世話をしないといけない。でも収穫が楽しみで、収穫した野菜を誰かにあげるのが楽しみで、植える。

草が生えてきたら抜かないといけない。肥しをやらないといけない。雨が降らなければ水やりをしないといけない。虫が来ないように予防しないといけない。イノシシがあらすようだったら防護ネットを立てないといけない。
息子や娘は街なかに勤めに出ていて、週末お願いすればいいのだろうけど、気を遣って頼めない。結局、痛い体を引きずって、ご自身でされるのです。

「やっと田植えが終わったんじゃ。」
「今年は芋を50も植えた。」
「楽しみにしといてぇよ。」

顔をほころばせて話されるのですが、その体は湿布だらけ。
ひざやうでには注射の跡がたくさん。
疲れるから血圧も上がって薬が変わったり、
熱中症で点滴を受けたり。
私はなんて声をかけたらいいのか、本当に悩みます。

楽しみにされている土いじりをやめさせたくありません。
「やめれば」と言えない。
でもその体を見ていたら
「がんばって」
とも言えないです。

一緒に笑って頷くだけ。
「痛みが強くなる前に、来てくださいね。痛いの我慢しないでくださいね。ちゃーんと休憩してくださいよ。ミネラルの入った水分とるようにしてね。梅干し時々食べるといいかもね。」
と話すだけで精いっぱい。

すみません、今回は愚痴みたいになっちゃいました。
患者さんの、笑顔を長く保つためには、いったいどうしたらいいのだろう、と途方に暮れてしまう、この季節です。
アジサイみたいに、私も、しゃんとしないと、いけませんね。
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