これは認知症?物忘れ?

インフルエンザ依然として猛威をふるっています。
人込みを避けてお動きになりますようお願い致します。
また、すでに感染している方は、お元気になられましても、ウイルス排出期間中は外出はお控下さい。
また、学級閉鎖などでお元気でお休みの方も、むやみに外へ出ることは避けましょう。感染後の潜伏期間中かもしれませんし、外に出ることでご自身もインフルエンザに感染する可能性もあります。さて、写真の手袋は忘れものの手袋です。一ヶ月くらいこちらにございますので、もう持ち主様はお忘れになったでしょうか。
今回は悩んでおられる方も多いと存じますが、物忘れと認知症の違いについてお話ししたいと思います。記憶力というのは、成人してから徐々に低下していきます。子どもたちとトランプで神経衰弱などをしていると、自分の記憶力の悪さに悲しくなることが私もあります。
記憶力の低下が引き起こすのは物忘れです。認知症ではありません。分かりやすくするために、以下の会話を。
<物忘れ>
A 「お母さん、昨日、どこに出かけたんだっけ?」
B 「ああ、昨日出かけたねえ。」
A 「車に乗って、ご飯食べに行ったよね?」
B 「そうだったねえ、思い出せないね。車に乗って、どこに行ったんだったっけ。」

<認知症>
A 「お母さん、昨日、どこに出かけたんだっけ?」
B 「昨日出かけてないわよ。」
A 「車に乗って、ご飯食べに行ったよね?」
B 「昨日は一日家にいたのよ、宅急便が届く日だったから。」

物忘れの場合は、取った行動までは覚えているのですが、その後の何を食べに行ったかを忘れています。
認知症の場合は、出かけた行為そのものの記憶が抜け落ちています。さらに、この場合、別の記憶とすりかわってしまっています。
食事をとったことを忘れてしまって、また食事の催促をする、というお話をよく耳にします。何を食べたか忘れるのではなくて、食べたという行為そのものを忘れてしまうのです。

もしお身近な方で認知症患者様がいらっしゃったら、「さっき出したじゃない!何回も食べ過ぎよ!」と怒らないでください。「食べていない」という感覚が、その方にとっては真実です。
「あら、ごめんなさいね、すぐ準備するからね。」と言ってあげて下さい。そうすると安心します。言うだけでいいのです。「食べてない」と言ったこともお忘れになります。

認知症の患者様は、一見、理解力が低下しているように見えます。でも、相手の感情や表情はよく見て、覚えています。
そこで、「この人好き」「この人は嫌い」という判断材料になってしまうことがあります。
何を言っても、何をしても、認知症の方にはそれが真実ですから、否定しないで上げて下さい。「ああ、そうなのね。」「あら、そんな風にするのね。」といったん受け入れてあげて、そのあとで処理の行動に移すようにして下さい。
そうすることで、その方とのコミュニケーションでストレスを感じることがるぐっと減ると思います。

「嫁は私にご飯を作ってくれない」などと妄想して嘆いてみたり、すごく怒りっぽくなったり、人格の破壊も怒りやすい認知症患者様です。昨年の8月27日のブログでもお伝えしました通り、効果の認められたサプリメントや、漢方もございます。
しかし、まずは、にこやかなお顔をよく見せてあげて、患者さまに不安を与えないようにして差し上げてくださいね。

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