気になる医療費の話

 薬局の花壇は冬の間、雑草も生えにくいため、お手入れをさぼりがちです。数日、眺めることもなく、久しぶりに様子を見てみると、写真のように水仙の花芽が伸びてきています。
 知らない間に春が近づいてきているのですね。ここ数日寒い日が続き、雪も舞ったりしておりましたが、植物は春の準備を始めていたようです。「冬来たりなば春遠からじ」ですね。
 さて、年度末です。3月は子供たちも進級や進学、会社勤めの方は年度末の追い込み作業や転勤などであわただしくされていることでしょう。
 
  医療業界では、2年に一度、報酬改定、薬価改定が行われます。
 医療機関は、それぞれの医療行為に対して○点という点数が決められていて、窓口でその点数に応じて一部患者様からお金をいただいて、残りは医療保険のほうから報酬を受け取ります。その点数と薬価の見直しが2年ごとに行われ、今年はその見直しの年になります。新しい制度が今年の4月から施行されます。
  高齢化社会に伴い医療費は年々上がっていく一方ですが、財源となる税収は上がってきません。働く人口はこれから減少しますので、医療費も削減していかないといけません。なので、医師・歯科医師・薬剤師の報酬改定では削減傾向、薬価改定ではお薬はさらに安い値段を付けようという傾向があります。
  窓口で支払う医療費や薬剤費などは同じお薬をもらう場合は安くなる可能性が高くなります。しかし、だからといって喜んで病院通いをしてはいけません。見直しで少々削減したところで、医療行為を受ける人口はそれよりもすごい勢いで増えていきます。 このままのペースで進むと、これまでは医療保険が使えていたのに、使えないようになる医療行為が出てくるでしょう。お金を持っている人でないとじゅうぶんな医療行為が受けられないということも考えられます。
  薬局も病院も国民の皆様も、将来の患者のために、できることを考えないといけないのではないかと常々考えています。
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